コツコツと読書感想文クラスの準備を進めています

今年は小学3年生と5年生に読書感想文を教えることになりました。

作文が苦手な子どもには、「入試や就職試験、レポートでも使える作文技術」を教えます。今は大変な思いをして書くわけですから、将来的には少しでも楽できるようにしておきたいと思っています。
読書感想文の場合も形式に従って書く内容を整理することで、わかりやすく「使える」文章が書けるようになります。

「将来、入試や就職試験でも使える作文技術」と書くと大げさな感じになりますが、要は自分が理解していないことや体験していないことを書かない、読み手を意識して書く(読み手をウンザリさせない)、表現を盛るよりも内容を整理するというだけです。


□どうして文章を書くのか
文章を書く目的は、次の2つだと私は思っています。
●自分の考えや感情、思いを言葉を使って整理し、自分自身で理解する
●自分の考えや感情、思いを言葉を使って整理し、周囲の人に理解してもらう

「自分の考えや感情、思いは、文章にしなくても自分でわかるのではないか」と疑問に思う人もいるでしょう。
実際は、自分のことがわからずに混乱している人が多いのです。

特に思春期には、急速に心と体が発達するために、以前は平気だったことも受け入れられなくなったり、イラ立ったりして、感情を周囲にぶつけてしまいがちです。
その結果「あんな態度を取らなければよかった」と自分の言動に自分で傷つくことも出てくるでしょう。

頭の中だけで物事を考えていると、同じ感情や思いがぐるぐると駆け巡りがちです。
しかし、書くという作業を行うと、自分の思考の癖が文章化されて、自覚できます。
そして書いた文章を読み直すという作業で、客観的に自分を見つめられるのです。
「あんな態度を取った理由は何だろうか」「私は何に傷ついていたのか」という自分の本質に迫ることもできるでしょう。
また、「感情に振り回された態度を取らないために何をしたらよいか」も検討できます。

このように、人間関係、そして自分自身を大事に守るために、言葉を使って考えや感情、思いを文章化することは役立ちます。

それから、幼い頃と違って、自分の判断で単独行動する機会も増えてくるでしょう。
トラブルはつきもので、自分の力である程度は切り抜けていく必要があります。
わからないことがあったとき、困ったとき、親ではない大人に自分の状況をきちんと伝えなければなりません。

厄介なのは、自分の状況を正しく説明できず、周囲から誤解されること。
最悪の場合、罪を着せられてしまう可能性もあります。

「ヤバイ」「ウザイ」を連発しても自分の状況を細かく説明できません。
多種多様な言葉を使い分けることで、自分の考えを正しく多くの人に理解してもらうことができるのです。
社会で生きていくうえで、言葉は自分を守る武器です。

本には多くの言葉や表現が盛り込まれています。
逆を言えば、本を作る編集者たちは、文章が単調にならないように、さまざまな言葉や表現を使うように訓練されています。
ですから本を利用して、言葉や表現を習得してほしいと思います。

□読書感想文を書く手順
「知恵の木」作文教室では、プロライターである講師が原稿を書くときと同じ作業を参加者に教えます。
読書感想文でも、一般誌に掲載する原稿でも、小論文でも、手順は変わりません。

私が最近作成したウェブ掲載用の原稿をもとに、手順を紹介しましょう。

○取材をして原稿を書く手順
①取材前にメモを作る
視力に関する取材なので、目の構造などを調べてメモを作りました

②取材時にメモを取り、資料をもらう
取材先が作成した論文や、関連するプレスリリースをもらいました

③資料を読み、メモを整理して、構成を作る
プレスリリースの裏紙にメモを取りました

メモの基本は「後で読める程度の汚い字」

④オチ(タイトルと関係)を作る
⑤原稿を書く
⑥原稿を読み直し、修正を加えて、仕上げる

○読書感想文を書く手順
①本を楽しく、一気に読む
②本を読みながらメモを取る
③メモに自分の感想を書き加える
④構成(はじめ、中、おわり)に、メモの内容を当てはめる
⑤構成のおわりの部分で、オチを考える
⑥下書きする
⑦清書する

□わかりやすい文章を書くための形式
自分でも書きたいことがわかっていないのに、表現ばかりを盛っている文章は珍しくありません。
原稿の書き手であるとともに資料の読み手である私は、盛った文章に「何も伝わってこない!」とウンザリしています。

数多くの文章の読み手でもある自分の経験から、文章構成を「はじめ、中、おわり」に当てはめて、書く内容を整理することを子どもに教えています。
最初に「はじめ、中、おわり」で文章を作った後、よくある作文テクニックの「書き出しは会話文にする」に書き換えてもいいでしょう。
しかし、必然性のないテクニックを使って、内容が伴わない文章は、読み手は「またかよ……」とウンザリします。

表現のテクニックよりも、まずは「はじめ、中、おわり」の構成で書くことにこだわりましょう。
論文については、英文も和文も「はじめ、中、おわり<オチ>」で構成されています。
英文の論文も「はじめ(Introduction)」から始まります

「中」では、テーマに沿った実験が時系列に紹介されています


「おわり<オチ>(Discussion)」では「中」を受けて自分の考えが述べられています(ただの結果報告ではありません。「自分はこう思う」「このように世の中の流れが変化したらいい」といった思いこそがオチです)

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