第5回作文教室「短文を作る」

私が子どもに作文を教えるとき、教育者でなく編集者として接することができて本当によかったと思っています。

編集者は、原稿を書いてもらうのが仕事。
「原稿が書けない……」と相手(ライターなど)の動きが止まったとき、切り口を変えるヒントを与えたり、情報の取捨選択を行ったりして、なんとか原稿を書くように仕向けていきます。

作文教室中に子どもがあくびをし出したら、編集者としての私は「これでは書けなくなるな」と判断して、方向性をすぐに変えられます。
教育者となると「集中が足りない」「もっとまじめにやりなさい」「あくびを我慢しなさい」的な反応になるのではないでしょうか。
ちなみに、私の父親は高校教師。いわゆる教育者でした。

第5回作文教室では、「キーワードを見つける」「メモを整理する」をすっ飛ばして、「短文を作る」段階に進みました。
実際に文を作りながら、「キーワードを見つける」「メモを整理する」を教えたほうが子どもにはわかりやすいだろうと判断したからです。
しかし。
「短文を作る」作業では、子どもがあくび連発。
厄介だと実感した次第です。

これまで作文教室では、「自分物差し」を作ったり使ったりする作業を行ってきました。
第5回で子どもは作業を振り返って、短い文章を作ります。



当初、4月11日(第2回)に自分の歩幅を調べたことで文章を口頭で作ってもらう予定でした。
ところが、子どもの記憶では第3回でやったこともごちゃまぜになっていたのです。
私から提示した「4月11日」というキーワードが、子どもの頭からすっぽり抜けて、第2回と第3回の作文教室の内容をぐちゃぐちゃに話し始めました。

しかも、細かい!
どうやって歩幅を調べたのかを私から子どもに尋ねると、「5歩歩いたら、床にテープを貼って、元の場所に戻って、巻き尺を使って……」。
いらんわ、そんな情報!!という言葉を私はぐっと飲み込んで、「ということは、なに?」「それをもっと短く言ってみよう」と声をかけました。
すると子どもの動きが止まって、あくび。
話の要点や要約する作業が子どもにはわからないのでしょう。

反省点
○「自分物差し」を作った第2回は、短文を作って締めくくるべきだった
○自分の歩幅を巻き尺で測定する作業をしながら、目的(5歩歩いて進んだ長さを測る)を伝えるべきだった(目的が要約のヒントになる)


短文を作る作業で子どもに強調したのは、たくさんのことを一度に話さないこと。
キーワードが「4月11日」ならば、たとえ関連性があったとしても別の日にやったことは盛り込まないようにします。
こうして作った短文が、長文の中では段落に当たるわけです。
赤字で強調したけど、伝わったかな……


1つの段落にいろいろな内容を入れてしまうと、読み手は混乱します。
諸説てんこ盛りというか、知っていることを全部書こうとして、伝わらない文章を作るのは、大人でも珍しくありません。

クローゼットにたとえれば、下着も靴下もハンカチも混ぜて同じ引き出しに入れてしまうこと。
これでは取り出すだけで苦労します。服のコーディネートどころではありません。
下着のスペースには下着だけ、靴下のスペースには靴下だけと、区分けをはっきりさせることが大事です。

クローゼットと同様、情報の取捨選択を行って文章を整理したほうが、読み手は苦労しないのです。

文章だけに限らず、自分のことを誰にもわかってもらえないと感じるときは、相手の理解に頼らずに自分で情報を整理をしましょう。

整理は習慣化することで身に着く技術です。
逆に、やらなきゃ身に着きません。
性格や能力などのせいにせず、ひたすら実践。

作文教室では、上記の2つの反省点をもとに、「メモを取る」「キーワードを見つける」「メモを整理する」「短文を作る」を繰り返し、次の読書感想文を作る段階に進む予定です。

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